これはもう癖かな、と思う。
小さな頃からそうだった。いかに上手く相手の負の感情を和らげて、さりげなく身を置くか。どう言えば相手の敵意や警戒心を削げるか。
どう笑えば相手に心を開いてもらえるか。

いつだって観察していた、だからか、演じるのばかり上手になってしまった。
弱くて臆病で、でも決して卑屈にはならず、ふわふわにこにこ笑う、何となく憎めない感じのキャラクター?
滅多に怨みも買わないし、大抵の人はまあコイツだしなって許してくれる。

ただ、にこにこしてたら皆、



「息が詰まりますよね」
「え?」
「こう、体裁を取り繕うのは」



呆けた顔をしたら(この反応は素だよ、だって本当にびっくりしたんだから)隣の彼は無表情のまま続けた。




「私もきっと貴方と同じようなもの、なので」




答えを返せないでいると、彼は賑やかに騒ぐとあるヒーローに引っ張られて行ってしまった。
その背中を見送って、俯いた。


違うよ、君のそれは敵を作らないためでしょう?俺は、俺はただ。












敵を作らないために自己主張しない無害なキャラクターを演じる日本と、ただ愛されたいイタリア君。
天真爛漫はとりあえずちやほやされるから、楽なんですっていう。一応白イタちゃんです



(10.05.01ログ、10.08.22up)