それだけの話



「それだけの話」の日本視点らしい
あ、敗戦というかアレの暗喩があるので注意







最後の糸が切れた。ああ、いま、私は一人である。


「日本、もう、もう止めよう」


止めよう?何をおっしゃるんでしょう。力など残っていなかった。
虚勢を張る力すら。だから止めざるを得ないのだ、もう、流れる血もない。
霞んで行く視界の端に糸がちらついた。最初からわかっていた。
私たちを中心にくるくると、ああ、一ヶ所が切れてしまえばそれはもはや円ではないのに。
冷たい雨が体を打つ。
行き先が切れて行き場の無くなった私の糸が泥水に漂う。
こうして見ると、彼らと私を繋いでいた糸はひどく細く頼りなかった。

私の体をそっと抱える腕を感じながら、ついに瞼が落ちた。
目を覚ましたらきっと、この指に残った糸よりもずっと頑丈な糸に私は縛りつけられている。

がんじがらめ、逃げられない。逃げられない。
それでもまだ私が手を伸ばすことが出来たら、その時はまた。

頼りなくても構わないから、新たな糸を結びましょう。




そう、突き詰めれば、それだけの話なんですから。






独→糸なんか結んだって離れるもんは離れるんだそれだけの話だ
日→糸なんて切れてもまた結べばいいんですよそれだけの話です

それだけの話。
イタちゃん視点は敢えて無くていいんじゃないすかね



(10.05.11ログ、10.08.22up)