2.11


おじいちゃん、世界を旅する。
(目的地はいずこ?)


「長くなりますが、順番に聞いて下さいね。此処に戻ってこなくても、初めのお話からどんどん先に進めるようになっていますから、
 それでも結構ですよ。あるいは、そちらの方が楽かもしれませんね」

「目が覚めたら、初めに
少女と会いました。ええ、そうです。可愛らしい、少女でした。それから、兎とお喋りしました。
 何故って、何故だったか…ああ、いやですね、年をとると物忘れが激しくて。その

 ――――ええと、そうそう、
雪原で。寒かったんです。見渡す限り真っ白ですよ。
 寒さに耐えかねて、ついつい先へと進んでしまいました。そうしますと、が聴こえてきます。
 歌につられるように歩いていくと学校に辿りついたのです。
 
何人もの子供とすれ違いまして微笑ましくも思ったのですが、私はを急がねばなりません。
 ですから私は急いで歩を進めました。
十字架の道
を抜けて先へ、先へ。
 目の前の
を開けますと、慌ただしいオフィスに出ました。何の仕事をしてたのか?…さぁ…?
 ともかく、書類の処理に追われる方々の
を通り抜けて、私はへ帰りました。兄弟の待つ家へ。
 けれど、なにか忘れているなあと思いまして。そうしたら、あの
少女のことを思い出したんです。
 ええ、
初めに出会ったあの少女ですよ。すっかり忘れていました。
 ああ、
大変、大変
 私、少女にえなければならないことがあったのです。
どうしても。どうしても。
 全てが始まった、あの場所にまだ、
子供は立っていました。子供はにこりとして言いました。
 
「おめでとう」――そうですそうです、私、この子にちゃんと返事をしていなかったんです。
 初めに出会った時には返事が出来なかったから。私も微笑み返して、
今度こそ答えました。」
     

 「ありがとう、ございます」




       「――ああ、私、   、です。」



Happy BirthDay!!

生まれてきてくれてありがとう、
だいすき